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旧校舎を拠点にするという選択(2025年7月23日発行)

「なぜ、こんな場所でやるんですか?」

そう聞かれるたびに、少しうれしくなります。
驚きや疑問があるということは、この判断が“当たり前”ではないという証でもあるからです。


旧校舎という拠点

ヴォルフェ北海道の拠点は、北海道・比布町にある旧蘭留(らんる)小学校の校舎です。

すでに廃校となった木造の校舎と、併設された体育館。
長い冬、広い空、真っ白な雪、そして静かな時間。

初めてこの場所に立ったとき、言葉にする前に、身体が何かを感じ取っていました。


「資産」か「負債」か

廃校を「資産」と見るか、「負債」と見るか。

僕たちは、この場所を選びました。

拠点とは、単なる“ハコ”ではなく、
そこに積み重なってきた関係や時間を受け止め、
これからの関係を育てていくための土壌だと思っています。


時間のつづきを引き受ける

この校舎には、たくさんの時間が刻まれています。
学びの場であり、地域の拠点であり、
かつては子どもたちの未来を育んできた空間でした。

僕たちがここを使うということは、
ただ場所を借りることではなく、その「つづき」を引き受けることだと思っています。

そして、それはとても時間のかかる営みです。


場所を耕すという役割

スポーツクラブの役割は、練習して、試合をして、結果を出すことだけではありません。

「場所」そのものを耕し、
そこに新しい文脈を育てていくこと。
そんな役割も、クラブにはあると考えています。

実際、僕たちはこの校舎を単なる練習場として使っているわけではありません。
イベントを開き、スポーツとアートを掛け合わせ、
地域の人たちと一緒に「この場所をどう使うか」を考え続けています。


この場所から始める意味

僕たちにとって、この旧校舎は、ただの拠点ではありません。

クラブが社会とどう関わっていくのか。
その“構え”そのものだと思っています。

決して派手ではないし、アクセスが良いとも言えない。
それでも、ここから始めることに意味があると、いまも信じています。


関係の深さで証明する

「なぜ、この場所でやるんですか?」

あらためてそう問われたとき、最近はこう答えられるようになってきました。

「僕たちだから、ここでできると思ったんです」

その言葉に十分な説得力が宿るには、まだ時間が必要かもしれません。

でも僕たちは、判断の正しさではなく、
関係の深さによって、それを証明していきたい。


ここで育てていく

僕たちは、この場所の意味ごと、背負って歩いていきます。

過去を保存するためでも、未来を急ぐためでもありません。

ここでしか育たないものを、
ここで、時間をかけて育てていく。

それが、この拠点を選んだ理由です。


※本稿は、メールマガジン「この判断で、よかったか? 女子フットサルクラブの『経営』と『感情』の実録」の記事を、WOELFE PACKメンバー向けに再編集したものです