何が揃えば同じチームといえるのか(2026年7月1日発行)
2026/08/21何が揃えば同じチームといえるのか
最近、競技志向とエンジョイ志向について考えています。
スポーツの世界ではよく使われる言葉です。
「あの人は競技志向だよね」
「あのチームはエンジョイ志向だよね」
そんな会話は珍しくありません。
ヴォルフェ北海道でも無関係な話ではありません。
選手募集をしていても、日々の活動をしていても、こうした言葉の存在を感じる場面があります。
競技志向の選手とエンジョイ志向の選手。その違いや共存について。
考え始めてみると、思ったより簡単な話ではありませんでした。
競技志向とは何なのか。エンジョイ志向とは何なのか。
考えれば考えるほど、少しずつ論点が増えていきました。
最初は選手の話を書こうと思っていたはずなのに、途中から監督のことを考え始め、代表としての立場を考え始め、気がつけばクラブ全体の話になっていました。
今回は、その途中の話を書いてみようと思います。
本当は分かれて活動した方がいいのかもしれない
考えているうちに、ひとつの仮説にたどり着きました。
本当は、競技志向の選手とエンジョイ志向の選手は、分かれて活動した方がいいのかもしれません。
競技志向の選手は競技志向の選手同士で。
エンジョイ志向の選手はエンジョイ志向の選手同士で。
その方が自然です。
目標を揃えやすい。練習強度を揃えやすい。試合への向き合い方も揃えやすい。
同じ勝利を目指すにしても、その勝利に何を求めているのかは人によって違います。
より高いレベルを目指したい人もいる。成長を実感したい人もいる。仲間と一緒に喜びたい人もいる。
もちろん、エンジョイ志向だから勝ちたくないわけではありません。競技志向だから楽しんでいないわけでもありません。
ただ、スポーツに何を求めているのかという点では、違いが存在するように思います。
だからこそ、近い目的を持った人たちが集まる方が、お互いにとって幸せなのかもしれません。
少なくとも理想だけを描くのであれば、そんな形もあるように思います。
ただ、現実はそこまできれいには分かれていない
ただ、現実はそこまできれいには分かれていません。
少なくとも、ヴォルフェ北海道がいる環境では、最初から目的ごとにチームを分けられるわけではありません。
競技人口は限られています。活動できる地域も限られています。選手が集まる時間も、仕事や生活の条件に左右されます。
その中で、女子フットサルをやりたい人が同じ場所に集まります。
勝ちたい人もいる。上手くなりたい人もいる。身体を動かしたい人もいる。仲間とスポーツを続けたい人もいる。
それぞれが、まったく別々の目的を持っているわけではありません。重なっている部分もあります。
ただ、完全に同じでもありません。
だから混ざります。
競技志向とエンジョイ志向という言葉で分けようとしても、現実の選手はそこまで単純ではありません。
一人の中にも、勝ちたい気持ちと楽しく続けたい気持ちが同時にある。
高いレベルを目指したい日もあれば、まずは続けることが大事な時期もある。
そう考えると、混ざっているのはチームの中だけではなく、一人ひとりの中でも起きていることなのかもしれません。
だからこそ、この話は簡単に整理できません。
選手だけの話ではなくなる
競技志向とエンジョイ志向が混ざると、それは選手だけの話ではなくなります。
選手の目的が違えば、監督の設計が難しくなります。
どの強度で練習するのか。
どこまで求めるのか。
試合で誰を起用するのか。
勝敗をどう受け止めるのか。
その一つひとつに判断が必要になります。
監督には、やりたいことがあります。
同時に、やるべきことがあります。
場合によっては、やりたくないけれどやらなければいけないこともあります。
それは競技だけを見ていれば決まる話ではありません。
チームの状態、選手の背景、クラブの現在地。そうしたものを含めて、現場は動いていきます。
そして代表にも別の判断があります。
理想だけで言えば、整理された形を作りたい。
競技志向の選手が集まる場所。エンジョイ志向の選手が集まる場所。それぞれがあった方がいいのかもしれません。
でも、理想はそのままでは何にもなりません。
そこにたどり着くまで、現実の中でクラブを続けていく必要があります。
だから、選手の目的が混ざっている状態は、監督だけの課題でも選手だけの課題でもありません。
クラブそのものがどう受け止めるかを問われる状態なのだと思います。
これは本当にチームビルディングの話なのか
ここまで書いていて、これはチームビルディングの話なのだろうかと考えました。
最初はそう思っていました。
違う目的を持った選手たちをどうまとめるのか。どう同じ方向を向いてもらうのか。そんな話だと思っていました。
でも、少し違う気がしています。
そもそも僕は、「まとめる」という前提を置いて考えていました。
しかし、その前に考えることがあるのかもしれません。
違う目的を持った人たちは、どこまで同じチームになれるのか。
競技志向とエンジョイ志向について考えていたはずなのに、気がつけば、そんな問いにたどり着いていました。
同じ競技をしていれば同じチームなのか。
同じユニフォームを着ていれば同じチームなのか。
同じ大会に出ていれば同じチームなのか。
それだけでは足りない気がします。
一方で、すべての目的が一致していなければチームになれないということでもないはずです。
全員がまったく同じ熱量で、同じ目標を、同じ速度で目指す。
それは理想かもしれません。
でも、少なくとも今の地域クラブにとっては、最初からその状態を前提にすることは難しい。
では、何が違っていてもチームでいられるのか。
逆に、何が違うと同じチームではいられないのか。
いまは、その問いの前に立っています。
まだ答えは出ていない
いまのところ、僕の中にはまだ答えがありません。
競技志向とエンジョイ志向が混ざっている状態は、乗り越えるべき段階なのか。
それとも、地域で女子フットサルクラブを続けていく以上、抱え続ける前提なのか。
ここはまだ判断できていません。
理想だけで言えば、目的が近い人たちで活動できる方がいい。
その方が、選手にとっても監督にとってもクラブにとっても分かりやすい。
ただ、現実はそう簡単ではありません。
混ざっている状態を未成熟な状態として見ることもできます。
一方で、その混ざり方の中に地域クラブらしさがあるのかもしれません。
競技として上を目指すこと。スポーツを続ける場所であること。仲間と時間を共有すること。
それらを全部きれいに分けられないところに、地域のクラブの難しさも可能性もあるのかもしれません。
だから今は、簡単に答えを出さない方がいい気がしています。
まずは、競技志向とは何なのか
最初は、競技志向とエンジョイ志向について書こうと思っていました。
ところが、書き始める前に自分でも何を考えているのか分からなくなりました。
選手の話だと思いました。監督の話だと思いました。代表の話だと思いました。チームビルディングの話だとも思いました。
でも、そのどれでもあり、そのどれでもない気がしています。
いま考えているのは、違う目的を持った人たちはどこまで同じチームになれるのか。その問いです。
そして正直なところ、まだ答えはありません。
むしろ、競技志向とエンジョイ志向という言葉を使うほど、自分はその言葉を理解していないのかもしれないとさえ思っています。
だから、もう少し考えてみます。
まずは、競技志向とは何なのか。
そのあたりから。
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