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一本の線から始まったこと

2024年、らんるまつりのクラウドファンディングの立ち上げから走り出すまでの間、
蘭鳳さんは心強い存在として支えてくれました。

準備の段階ではオンラインでのコミュニケーションのみだったので、まだ直接お会いしたことはなかったものの、やり取りの向こうから確かな熱が伝わってきました。
「めちゃめちゃ応援してくれている」という感覚は、関係を重ねるたびに確信へ。
気づけば、互いの活動を心から応援し合う関係になっていました。

距離が縮まった日

やり取りの中で印象的だったのは、言葉の端々に感じる“ひとつ越えた視点”です。
表現の世界に身を置く人ならではの、場や関係のつくり方への感度がありました。

ヴォルフェ北海道がスポーツという枠を越え、新しい価値を生み出そうとする時、
その試みを面白がり、同じ温度で受け止めてくれる存在は多くありません。
だからこそ、交流を重ねるごとに「この人となら、きっと面白いことができる」という思いが強まりました。

その思いが現実になったのが、2024年のらんるまつりの日。
蘭鳳さんは会場に足を運び、ライブパフォーマンスを担ってくれました。
その決断と動きの速さは、こちらが励まされるほどでした。

場に立つ人

当日の蘭鳳さんは、これまでのやり取りから抱いていた印象そのままの人でした。
穏やかな人柄、場に漂う空気、丁寧な立ち振る舞い——いずれも変わりません。
ただその場の熱や集中をまるごと抱え込むような表現は、画面越しでは伝わらないものでした。

一筆ごとに呼吸が変わり、会場の空気が引き締まっていくのがわかります。
見ている人たちは会話をやめ、ただ線の行方を追っていました。

《未来》という言葉

ライブパフォーマンスで描かれた文字は、「未来」。
その二文字は、ゴールを予告する旗印ではなく、今この瞬間から続いていく道筋を示すものでした。

それは、私たちが日々向き合っている「結果では測れない価値」を形として残すための言葉です。
あの日の線と色と空気が、そのまま《未来》という企画の核になりました。

地域が受け止めたもの

地域の人たちが蘭鳳さんの作品や活動を好み、その感覚を素直に言葉にしてくれたのも忘れられません。
「この人の作品、いいね」「なんか元気になる」。
競技の場ではなかなか聞けない種類の感想が、そこにはありました。

スポーツの勝敗とは別の次元で、人と人がつながっていく感覚。
それはヴォルフェが大事にしてきた「交わらないものを交わらせる」ことの確かな証明でもありました。

あの日の余韻

《未来》という言葉は、あの日の体育館の空気や、人々の視線、線を引く手元の動きとともに記憶されています。
作品が完成した瞬間、多くの人が深く息をついたように感じました。
それはパフォーマンスの終わりではなく、ひとつの場を共有し終えた証でした。

ヴォルフェにとって、この経験は“競技の外側で生まれる価値”の確信となりました。
これからどんな活動を重ねても、この日の輪郭は消えることはありません。

《未来》は、その感覚をまるごと閉じ込めた言葉です。
そして、その言葉が描かれたあの日の光景は、これからも私たちの活動の底に流れ続けます。

《未来》は、その感覚をまるごと閉じ込めた言葉です。
そして、その言葉が描かれたあの日の光景は、これからも私たちの活動の底に流れ続けます。


蘭鳳(ranhou)|プロフィールはこちら
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