プレビューモード

I’m watching you by 西村公一

クラブを運営していると、応援してくれる人に「何を返すか」を考える場面がたくさんあります。

グッズを届ける。
特典をつける。
特別な体験を用意する。

支払ってもらう金額が大きくなれば、それに合わせて返すものも増やしていく。

とても自然な考え方だと思います。

でも今回、ヴォルフェ北海道ではその逆のことをやってみることにしました。

受け取るものは変えずに払う金額を選べるようにする。

何を多く受け取るかではなく、どのくらいのお金をこの活動に置くかを自分で決めてもらう。

西村公一さんのデジタルアートカード「I’m watching you」は、そんな考え方から3つの価格を用意しています。

WHITE FRAMEは580円。
GOLD FRAMEは1,000円。
RED FRAMEは10,000円。

どれを選んでも受け取る作品は同じです。

この設計を考えていくなかでもうひとつ考えるようになったことがあります。

応援したことは何として残るのか。


違いをつくりたかったのは作品ではありません

通常、価格が違えば受け取るものも変わります。

高い商品にはより多くの機能がある。高いプランにはより多くの特典がつく。

それはとても自然な設計です。

ヴォルフェ北海道でも、グッズを販売したり、スポンサーとして支えていただいたり、いろいろな方法でクラブにお金が入る仕組みをつくっています。

その一方で「I’m watching you」では違う設計を選びました。

変えたかったのは受け取るものではありません。

どのくらいのお金をこの活動に置くか。

そこを購入する人自身が選べるようにしたかった。

580円でも、1,000円でも、10,000円でも、作品そのものは同じです。

金額の違いを作品の格付けにはしない。

それがこの商品の最初の設計です。


応援したことは何として残るのだろう

クラブにはいろいろな関わり方があります。

試合を見る。SNSで知る。グッズを買う。スポンサーになる。活動そのものにお金を出す。

どれもヴォルフェ北海道にとって大切な関わり方です。

そのなかで私たちはもうひとつ考えました。

応援したということ自体を何かの形で残せないだろうか。

寄付であれば、お金を活動に渡すことそのものが中心になります。

グッズであれば、お金と引き換えに手元にモノが残ります。

「I’m watching you」は、そのどちらかに完全に寄せるのではなく、作品を受け取ることと、クラブにお金を置くことをひとつにつなげています。

作品を手にしたという事実とその時点でヴォルフェ北海道に関わったという事実が同じところに残る。

私たちはそこに意味を持たせたいと考えています。


作品を手にした日から時間を残す

ただ作品が残るだけではありません。

さらに、その作品を手にした時点から流れた時間も一緒に残せないかと考えています。

いま構想しているのは、購入した日を起点にヴォルフェ北海道の変化を振り返れる仕組みです。

購入してから何日が経ったのか。

その日にヴォルフェ北海道のSNSには何人のフォロワーがいたのか。

その後、クラブにどんな出来事があったのか。

そして現在はどうなっているのか。

そうしたものを購入した時点と現在とで見比べられるようにする。

スクリーンショットはその瞬間を残します。

何年か経って見返すと「この頃は、こんな状態だったんだ」と気づくことがあります。

デジタルアートカードでは、その瞬間だけではなく、その瞬間からどれだけ時間が流れたのかも残したい。

「I’m watching you」を手にしたとき、ヴォルフェ北海道はここにいた。

そのあと試合があり、人と出会い、クラブの景色が変わっていく。

そしていまはここにいる。

作品を開いたとき、その二つの地点を見比べられるようにしたいと考えています。


「あなたのおかげで成長した」とは言わない

ここにはひとつ大切にしたいことがあります。

購入した日のSNSフォロワー数が1,000人で、その後5,000人になったとしても、「あなたの支援によって4,000人増えた」とは考えません。

クラブの変化は、ひとりの支援だけで説明できるものではないからです。

選手がいる。スタッフがいる。試合を見てくれる人がいる。スポンサーがいる。地域で関わる人がいる。SNSでたまたま知る人もいる。

いろいろな人や出来事が重なってクラブは変わっていきます。

だから残したいのは因果関係ではありません。

あなたがこの作品を手にしたとき、ヴォルフェ北海道はここにいた。
そして、いまはここにいる。

その間に流れた時間です。


モノを増やさずに関わった記録を持つ

「I’m watching you」は、デジタルアートカードです。

部屋に新しいモノが増えるわけではありません。

私たちはそれを不足だとは考えていません。

物理的なグッズを持つことが合う人もいる。デジタルで作品を持つことが合う人もいる。

応援の形がいくつかあるならその持ち方もいくつかあっていい。

作品とその時点でクラブに関わった記録を持つ。

「I’m watching you」は、そういう選択肢としてつくっています。


同じ作品に違う金額を置く

WHITE FRAMEは580円。
GOLD FRAMEは1,000円。
RED FRAMEは10,000円。

受け取るデジタルアート作品は同じです。

価格差に応じて何かが豪華になるわけでもありません。

その代わり、自分はどのくらいのお金をこの活動に置こうと思うのか。

そこを自分で選ぶことができます。

作品を受け取る。

お金を置く。

その時点が残る。

そしてその先に流れた時間を振り返る。

「I’m watching you」では、この関係をひとつにつなげようとしています。


応援した証を、時間の中に残す

スポーツクラブは続いていく活動です。

今日と来年では同じクラブでも景色が変わっています。

その途中のどこかで「ここに少しお金を置いてみよう」と思う人がいる。

その行為を、一回の決済だけで終わらせず作品と一緒に残しておく。

数年後に見返したとき、その頃のヴォルフェ北海道とその後のヴォルフェ北海道が並んで見える。

私たちはそんな応援の形をつくろうとしています。



作品名:I'm watching you
作者名:西村公一